第9章 ラジ王子の訪城
ガチャ・・・
「ふー・・・」
あかねは1度自室に戻った。
この後もまたすぐイザナの元へ行かなければならない。
今日はラジが来ていて夜会があり、正装をして出なければいけないことも、ため息の一端だった。
コンコンッ・・・
「!?」
窓を叩く音がして目を向けると、底にはオビが立っていた。
カチャ・・・
「オビ?どうしたの?」
「いや、あかね嬢に全然会えてないからさ」
「そうねぇ・・・今はイザナ様がいるからね」
あかねはオビを部屋に入るよう促しながら話し続けた。
「あかね嬢、元はイザナ殿下の元にいたんだって?」
「そうよ
まぁゼンとも仲良くしてもらってたけど
主についていたのはイザナ様だったね」
「ふーん・・・」
「どうしたの?」
「いや、何もないんだけどさ
あかね嬢になかなか会えないから
寂しいなぁって思ってね!」
「なにそれ(笑)
思ってもないこと言わなくていいよ?」
「・・・」
オビは先程までの笑顔がなくなり、真剣な眼差しであかねを見た。
「本気だよ」
「っ!オビ?」
オビはあかねの手を掴み、まっすぐ見つめ、あかねは顔を赤くして目線を逸らした。
オビは空いた手であかねの頬をなでると
「んっ・・・」
そのままあかねに口付けをした。
「っ・・・お、オビ・・・?」
1度唇が離れた隙に、あかねがオビを見上げて名を呼ぶと
「!!」
ちゅっ・・・くちゅ・・・
「ん・・・」
ドサッ・・・
口付けをしながら、オビはあかねを後ろにあったベッドへ押し倒していた・・・。