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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城





「よし、ここをくぐって」


「何、この状況・・・」


兵の配置を全て把握しているオビの手にかかれば、人目につかず城内を移動することなど朝飯前だ。


白雪はそんなオビについて行くしかなかった。


しばらく続いた茂みを抜けると、
中庭の手前まで来ることが出来た。



「お、聞こえる、聞こえる」


塀の中からは、ガヤガヤと賑やかな様子が伺える。


「上から頭は出さないでね
見つかるから」


「・・・分かった」


白雪はオビの言うことを聞き、聞き耳を立てた。


すると・・・


「ゼン殿下
新参の従者を付けられたそうですな」


「ハルカ侯。
兄上からそう言ったのか?」


「はい」


「げっ・・・」


オビは、明らかにゼンとハルカ侯が自分の話をしていると気づいた。
そして、それは一緒にいた白雪も同じだった。


「・・・挨拶しないの?
従者さん」


「あー・・・やっぱり俺の事?

いやいや、出たら斬られるよ」


2人はひそひそと話した。


「かなりの身軽で腕も立つ

面白そうな男だぞ
あれは」


「即戦力になりうるのなら結構ですが・・・
殿下のそばにある者に
周囲は無関心ではいられませんからな」


白雪には、そのハルカ侯の言葉が重くのしかかる。


「両殿下と隣国のあの王子との
親交など特に・・・

私は賛成しません
避けられないとはいえ!」


「正直だな、ハルカ侯・・・」



「ゼン!」


ハルカ侯と話しているゼンを、イザナが呼んだため、2人の話は中断された。


「何か?」


「出迎えの際
2人でどんな話をしたのかとね」

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