第9章 ラジ王子の訪城
「私は第二王子のゼン
お初にお目にかかります」
到着したラジに声をかけたゼンと、その後ろに控えるあかねを目にしたラジは、明らかに動揺していた。
「あ、
あぁ あ
ああ ・・・
これはこれは・・・
タンバルンのラジだ
お、お会いできて
光栄だ」
ラジなりに必死に言葉を紡いだ。
「木々嬢!
木々嬢!」
中庭に待機していた木々に、コソッと小声で声をかけてきたのはオビ。
「俺、茶会の警護
やっぱ抜けていいですかね」
「面白そうだって
言ってなかったっけ?」
「いやー
ハルカ侯がいるとは
思わなかったんで・・・」
オビと木々の視線の先には、ハルカ侯がいた。
そんな中、ラジはゼン達の案内で
イザナの元へ到着した。
「イザナ・ウィスタリアだ
ようこそ参られた、ラジどの
せっかくこうして会えたのだから
今日は堅苦しいことはなしとしよう
さぁ、庭へ」
イザナが促し、一行は中庭へ移動し、お茶会が始まった。