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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城




20日後ー・・・


城内は来客の準備でバタバタしていた。


到着の時間に合わせて、入口まで向かっていたイザナとあかねの元に、ゼンがやってきた。


「兄上

出迎えは俺が行きます」


イザナは、ゼンの姿を見て


「へぇ?
乗り気じゃなかったのに」


と嫌味のように言った。


「まぁ、礼儀かと

初めて会う訳ですし」


「興味が?」


「ありますよ」


お互い顔を見合わせて話した。


「あかね、お前もゼンと共に行っておいで。」


急に話を振られたが、イザナの半歩後ろに控えるあかねは冷静に答えた。


「承知しました。」


「では、行くぞ」


ゼンのその言葉で、あかねはイザナに一礼し、ゼンの後ろについた。




「兄上にずっとついていたのか?」


2人になってから、ゼンは歩きながら聞いてきた。


「そう。
別にわたしがいる必要性は
ないと思うんだけどね
なかなかゼンの方に行かれなくて」


「ははっ!
兄上は過保護だからなぁ」


「ミツヒデと木々は?元気?」


「あぁ、変わらずだな。
・・・お前が聞きたいのは、2人のことだけか?」


「ふふっ・・・いじわるね」


「そうか?」


2人はお互いに顔を見合わせ、ニッと笑った。
そんな話をしていると、
城門まであっという間に着いた。






カランー・・・カランー・・・カランー・・・



ラジの到着に、城内では歓迎の鐘がならされた。


「あぁ・・・帰りたい」


ふっと寂しそうな笑みを浮かべながら、呟くラジ。


「到着早々
何を仰っているんですか」


「到着したから言っているのだ!!」


持て!と、来ていた上着を渡すラジ。
明らかに八つ当たりだった。



「ようこそ、クラリネスへ」

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