• テキストサイズ

赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第8章 甘い一夜 ※





「ん・・・」


あかねはぬくもりを感じながら目を開けると、目の前に胸板が合った。


「起きたかい?」


頭の上から声が聞こえ、その方を見ると、オビが愛しそうに頭を撫でてくれた。


「ん・・・起きた・・・おはよ・・・」


「おはよ、あかね嬢」


オビはいつも通りニコッと笑った。


「昨日、ごめんね、急に来て・・・」


あかねはオビにそう言うと、オビはあかねをギュッと抱きしめた。


「!?」


「あかね嬢、昨日のこと覚えてます?」


オビにそう言われ、あかねは昨日のことを鮮明に思い出し、耳まで赤くした。


「・・・その様子だと、覚えているようですね?」


「忘れるわけないでしょ・・・」


そう言いながら、オビの胸に顔を埋めるあかね。


「それは良かった」


そう言うと、オビはゆっくりとあかねを離し、起き上がった。


「オビ?」


あかねもゆっくり起き上がると


「あかね嬢。
俺はね、今まで同じところに留まることはなかったんですよ。
自分のことに執着もなかったしさ。

でも今
主の元にいて、ミツヒデの旦那と木々嬢がいて、お嬢さんがいて、そしてあかね嬢がいて。
今のこの感じが心地よい気もしてるんですよ。

・・・あかね嬢のこと、大事にしたいと、思ってるよ」


オビがそんなことを思っているとは、そしてあかねに伝えてくるとは思っていなかった。
ふわっと、なんとも言えない関係になると思っていたが、オビはあかねが大事だと言ってくれたことに、あかねは目を丸くした。


「・・・なんか言ってくださいよ」


オビは困ったように笑いながら、あかねを見つめた。


「・・・わたしも。
ゼンがいて、ミツヒデと木々、白雪がいて、オビがいて。

オビ、あなたが大切よ。」


「・・・嬉しいもんですね。」


オビはははっと笑いながら、ベッドから出たため、あかねも近くにあった服を手繰り寄せ、身支度を整えた。

/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp