第8章 甘い一夜 ※
「じゃあ、わたし部屋に戻るから。」
あかねはオビの部屋の扉に手をかけると、オビが後ろから抱きしめてきた。
「あかね嬢・・・大丈夫?」
昨日、急に部屋に来たものの、特に理由も言わなかったあかねに、オビは最後の確認のように聞いた。
「大丈夫。
しっかりしないと。
ゼンの幸せを、守っていけるように、強くならないとね!」
あかねはオビの方へ顔を向けると、いつもの笑顔を向けた。
「今のままでもあかね嬢は十分強いと思うけどね。
無理はしないように」
オビは困ったように笑うと
「じゃあ、無理してそうな時は、癒してくれる?」
「もちろん。」
あかねとオビはどちらともなく口付けをして、あかねは自分の部屋に戻った。