第7章 第一王子の帰還
「気持ち・・・ですか。」
「・・・こんな夜中に、迷惑だったよね、ごめんね?」
そう言うあかねはいつもの明るさはなく、どこか悲しい雰囲気で。
オビはベッドからあかねを手招きした。
「あかね嬢」
「?なに?オビ」
あかねは子首を傾げながらオビを見る。
「いいから」
オビは手招きし、あかねはグラスをテーブルに置いてソファから立ち上がると、ベッドに座るオビへ近づいた。
グイッ!
「わっ・・・!」
ギュッ・・・
オビに手を取られ、あかねは気づけばオビの腕の中に収まっていた。
「ちょっ・・・オビ、どうしたの?」
あかねはオビの腕に収まったまま聞くと
「いやまぁ、特に意味はないんですけど・・・
ほら、なんか人肌が恋しくなる時ってあるじゃないですか」
オビはいつもの笑顔であかねに言うと、一瞬驚いた顔したあかねもつられて笑顔になった。
「そうね・・・そういう時もあるね」
クスクスっと笑いながら言うと、オビの手があかねの頬に触れた。
少し見つめ合い・・・2人は自然と唇重ねたー・・・。
段々と深くなる口付けに、先に根を上げたのはあかねだった。
「んっ・・・は・・・くるしっ・・・」
そう言うとオビはゆっくり唇を離した。
プツッ・・・と、唇を離した時にできた銀の糸が切れた。