第7章 第一王子の帰還
「はぁ・・・っ、オビ・・・」
「あかね嬢・・・そんな目で見られたら、もっとしたくなるじゃないですか」
オビはあかねを腕に収めたまま言う。
「もっと・・・してくれないの?」
「は?」
「え?」
オビは予想外のセリフに目を丸くしてあかねを見つめたが、あかねは少し顔を赤くしたままオビを見つめ返した。
「いやね、あかね嬢・・・
こんな夜中に、男の部屋で、軽く酒も飲んでね
そんな顔して、そんなこと言ってちゃダメでしょうよ」
「なんで・・・ダメなの?」
あかねは少し悲しそうな顔をして言う。
「はぁ・・・あのね、あかね嬢
俺もできた男じゃないわけですよ。
好きな女がいて、こんな状況で、我慢してるんです。
男はみんな狼だって、主やミツヒデの旦那に習わなかったんですかい?」
オビは困ったように言うと、あかねはオビの胸に顔を埋めたまま
「そんなこと習ってない。
けど・・・オビといたいの。
それじゃダメなの?」
「後悔しないんですかい?」
オビは、あかねの頬を撫で、あかねの顔を上げ、目を見て聞く。
「しない、オビだもん・・・
好きよ、オビ・・・」
ドサッ・・・!!
「んっ・・・!」
オビはその言葉を聞くと、あかねをベッドに押し倒し、唇を塞いだ。