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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第7章 第一王子の帰還





バタバタバタ・・・


バタンっ!!!


「イザナ様!!」


「あかね、もう少し静かに入ってきなさい。
城での立ち居振る舞いを忘れたのか?」


イザナは椅子に座って報告書のような紙を読みながら、目線はそのままに言った。


まるで、あかねが戻ってくると分かっていたかのように。



「・・・申し訳ございません。

イザナ様・・・白雪は・・・」


「先程帰したよ

会わなかったかな?」


「イザナ様!!」


「なぜ、そこまで必死になる?

あのような、たかが娘に?」


イザナは、報告書から目を離し、あかねの方を見た。


「たかが娘でも、
ゼン殿下のことを大切に考えております。

ゼン殿下には、様々なことを教えてくれる人や環境が必要だとわたしは考えます。

彼女といることで、
ゼン殿下は一回りもふた周りも成長するのだと思います。」


あかねは、イザナをしっかり見すえて伝えた。



「本当に、そのようなら期待をもてる娘なのか?
普通の娘と何が違う?

あいつのためを思えばこそ、だと思うがな」


イザナはふぅ・・・とため息混じりに言う。


「おいで」


そして、あかねを手招きした。


「・・・・・・」


あかねは大人しくイザナの元へ行く。


バッ・・・

「きゃ・・・」


イザナはあかねの腕を引き、椅子に座る自分の膝にあかねを乗せた。


「イ、イザナ様!?」


慌てて顔を赤くするあかねの頭を、イザナは優しく撫でた。


「お前の思うこと全てに同意することはできない

ただ、お前がいれば、あいつが間違った道に進むとも思わない。

傍にいてやってくれ」


イザナは、愛しいものを見るように、あかねに伝え、頬に口付けをした。


「イザナ様・・・」


あかねは一瞬驚くものの、


「はい

イザナ様を後悔させるようなことはいたしません

お約束いたします

このような勝手を申し出て、申し訳ございません」


「俺にはっきり意見を言うやつも少なくなったからな
あかねは、変わらず思ったことを言うといい」


そう言うと、イザナとあかねは2人でふわりと笑い、あかねはその後イザナの元を離れ、ゼンの執務室へ向かった。


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