第7章 第一王子の帰還
城の門まで見送りに出たあかね。
「ザクラどの、アサナギどの。
本日はありがとうございました。」
「いえいえ、殿下にお会いできて良かったです。」
「それに、久しくあかねどのにお会いしておりませんでしたので、来て良かったです」
「ふふ・・・わたしも、お会いできて嬉しかったですわ」
あかねはそう言い、2人に頭を下げた。
「あかねどのは、再びイザナ殿下の元につくのですか?」
「・・・といいますと?」
「いや、昔はよくイザナ殿下の後ろに控えていらしたので・・・」
「昔は昔、ですわ。
今の私の主は、第二王子、ゼン殿下です
もちろん、イザナ殿下のことも敬愛しておりますが」
ふわっと笑いながら言うあかね。
「イザナ殿下もゼン殿下も
あかねどののような素敵な方がお傍にいて羨ましい限りです」
アサナギが言うと
「本当だな。
ぜひまた、お会いしましょう」
ザクラもそう続け、2人はそれぞれ迎えの馬車に乗った。
「はい
本日は、ありがとうございました
どうぞ、お気をつけて」
あかねはそう言い、2人を見送る。
馬車が見えなくなってから、あかねは正装のため木に飛び移ることはしなかったが
来た道を走って戻った。