第7章 第一王子の帰還
「・・・失礼ですが、殿下
どのような身分の・・・」
ザクラがイザナを見て恐る恐る聞いた。
「身分か
宮廷薬剤師だね、見習いの」
イザナはそう答えると、ザクラは更に言葉を続けた。
「薬剤師・・・?
では、他になにか特別な・・・
いや
これは愚問ですな
優れた方に決まっている」
ザクラは、イザナの言葉から詮索するが、キリッと白雪を見て言う。
「私はザクラ・シドノト
以後、お見知り置きを」
「私はスイ家のアサナギと申します。
ゼン殿下のご友人とは驚きました
お会いできて光栄です。」
ザクラとアサナギは、白雪の方へ礼をした。
それを後ろから見ているイザナの表情は、氷のように冷たかった。
「ーー・・・
白雪と、申します。」
白雪がそう答えると、
「それでは、我々はこれで」
「あぁ。
あかね、2人をお送りして」
「・・・」
「あかね、聞こえなかったのか?」
イザナをじっと見つめるあかねだが、依然表情が冷たいイザナに今は何も言えることはなく
「承知しました。」
そう言い、部屋の扉を開けて2人を連れていった。