第7章 第一王子の帰還
「お久しぶりです、イザナ殿下」
「ご挨拶に伺うのが遅れ
申し訳ございません」
「ご帰還されて間もない
お忙しいところ
お時間を頂きありがとうございます」
「いや、留守中ご苦労だった
ザクラどの
アサナギどのも
来訪を楽しみにしていたよ」
「それは嬉しい限りです
私も、殿下はいつお戻りになるのかと
気になっておりましたので」
「思ったより
留守が長引いてしまってね
久しぶりにくつろぎたい所だが」
「ザクラどの
アサナギどの
お久しぶりでございます」
イザナの横で、あかねは客人2人へ挨拶をした。
「あかねどの、お久しぶりです。
お元気そうでなによりです。」
「あかねどの、
今はゼン殿下にお付と伺いました
このようにイザナ殿下の後ろに控えていると
昔を思い出しますね」
「わたくしも、
イザナ様のお傍に居られますこと、嬉しく思います。」
あかねが話をしていると、アサナギと呼ばれた男が、部屋の隅に座る白雪を目にした。
「ーーー!!
・・・これは・・・驚きました
殿下、あの者は・・・
随分と目を引く風貌ですが、
こちらの使用人で?」
「あぁ、いや
今日は少々訳あって
あそこに座っているのだが
彼女は、ゼンの友人でね
お気に入りなんだそうだ」
白雪はグッと背筋が伸び、客人2人はハッと白雪を見た。
「・・・!
そうとは知らず、ご無礼を・・・
申し訳ない」
そう言い、アサナギは白雪に頭を下げた。
「い、いえ・・・」
白雪はそう答える以外に言葉が浮かばなかった。