第7章 第一王子の帰還
カツン!
「おい、ゼン・・・
本当に俺達までいていいのか?」
「あの人と2人で話したくないんだよ
側近連れてて問題あるか
ったく・・・あかねはどこに行ったんだ?」
「今日は朝からいないね
朝食にも来なかったし」
そう話しながら部屋の前まで来たゼンは、
コンコンッ
「失礼致します」
キイッ・・・
「やぁ
弟」
イザナは、ゼンの方を見ずにそう言うと
「お久しぶりです
兄上」
イザナは扉を横目で見て
「ミツヒデと木々も一緒か
相変わらず仲が良いんだな」
「・・・・・・
お陰様で」
とゼンは返した。
「何故、ご帰還を俺に隠すんです?」
「ハハ
いつ気が付くかなぁと思って
ーーお前が、どの位城の事に
目を向けているか知りたくてね
元気そうじゃないか
安心したよ」
「兄上も、お変わりないようで何よりです」
「・・・ゼン殿下」
「・・・あ、あかね!?」
「あかねは俺が呼んでいたんだ
朝から借りて悪かったね」
「いえ・・・」
あかねは、イザナの1歩後ろに下がるように、控えて立った。