第7章 第一王子の帰還
グシャッ・・・
ゼンはその手紙を握りつぶすと
「悪いなオビ、後で聞く
あー
とりあえずお前顔は出しとけ
怪しい
首のもとれ」
と、オビの付けていたものを取るゼン。
「え?」
「あと、木に登るのはやめろ
その傷を洗って部屋で待機!
いいな!」
そう言うと、ゼンは部屋を出ていった。
残されたオビは、
「傷は平気ですよ・・・
?
はい」
と言い、急に行ってしまったゼンの後ろ姿を見送った。
コンコンッ・・・
「・・・はい」
あかねは部屋で本を読んで過ごしていると、誰かが訪ねてきたため、ドアを開けた。
「失礼致します。
イザナ殿下がお呼びです。
至急、花謡の間に来るようにとの事です。」
「イザナ殿下が?
わかりました。
すぐに支度いたします。」
あかねは正装に着替え、迎えに来て部屋の外で待っていた衛兵と共に、イザナの元へ向かった。
コンコンッ!
「失礼致します!
あかねどのをお連れいたしました!」
「失礼いたします
イザナ殿下」
「あぁ、あかね、待っていたよ」
イザナは窓辺にたち外を見ながら、書類を持って立っていた。
「わたしは失礼致します」
「あぁ、ご苦労」
衛兵はイザナに声をかけ、一礼して部屋を出ていった。
「楽にしていて」
「このあと、何かあるのですか?」
「あいつが来るよ」
「?あいつって・・・」