第7章 第一王子の帰還
一方、城内の木の上ではー・・・
「く、あーーー〜あ」
オビが木に座り、コキっと首を鳴らしていた。
「主たちが忙しいと
俺は暇だな
行動範囲は決められてるし
あかね嬢は朝からいないし
手入れする武器もないし・・・」
ビュッ!!
カンッ!
パシッ・・・
オビの頬を、何かが掠めた。
後ろの気にあたり、跳ね返ったものをキャッチすると、それは小さな石だった。
「・・・・・・」
オビはすぐに下を見て、気配を探るも、特に何も感じられなかった。
「オビ!出てこい!
オービー!
10秒以内にー・・・」
遠くからゼンの声が聞こえ、オビはその声の元に行くことにした。
執務室の窓から入り、ゼンの元に来たオビに対し、
「・・・お前、その顔どうした?
血でてるぞ」
と怪訝な顔でオビを見るゼン。
「あ、これですか
それが今ー・・・」
「失礼致します!
ゼン殿下!」
部屋に衛兵が入ってきた。
そのままゼンに手紙を差し出すと
「こちらを至急お渡しするようにと・・・」
「?」
ゼンがその手紙を開くと
『暇なら花謡いの間において』
と書かれていた。