第7章 第一王子の帰還
廊下を歩き進むが、いつもとは違う雰囲気。
(空気も違う・・・)
「なぁ、あかねはどうした?」
「あかねは、朝からいないよ」
「自由だなぁ・・・」
「・・・・・・」
ゼンは木々とミツヒデの返答を聞くと、黙ったまましばらく歩く。
すると、近くの衛兵に声をかけられた。
「ゼン様
これより先は
お通しできません」
「なぜだ?」
「お答え、できません」
そう答える衛兵を、じーーーっと見つめたあと
「わかった、ご苦労」
と声をかけ、その場を離れた。
カッ・・・カッ・・・カッ・・・
(チッ・・・呼ばれるまで待てってか・・・)
内心でそう考え、2人に声をかける
「木々、ミツヒデ
身支度を整えておけ
兄上が帰ってきている
・・・あかねがいないのもそのせいだろう」