第6章 ラクスド
しばらく歩くと、馬車が近づいてくるのが見えた。
「あ、馬車来たね
王都行き?」
白雪がゼンに聞くと
「王都行き
あれで帰れる」
と答えた。
本当は行きのようにミツヒデの後ろに乗せて帰ることも考えたが、病み上がりの白雪を無理させないようにと考慮し、白雪は馬車で帰ることになった。
「ところで、私昨日・・・
ゼンに言われて目閉じて
すぐ寝こけたよね?」
「あぁ、見事な早業だったな」
そう笑うゼンに、白雪も笑顔になり
「あはは
やられた」
と答えた。
「俺の勝ちだな
しかも勝ち逃げだ」
「得意げに言うことかな、それ・・・」
「お前こそ
笑うことじゃないぞ」
ゼンと白雪のやり取りを微笑ましく見守るミツヒデと木々とあかね。
オビは近くの気に座って聞いていて、
「やれやれ・・・」
と言いつつも、口元は笑っていた。
馬車が到着し、白雪は乗る前にゼンたちのほうへ顔を向けた。
「じゃあ、私はここで」
「あぁ
まぁ道は同じだけどな
城で会おう」
そう言われ、白雪は馬車に乗り込み、馬車は動き始めた。
「さ、俺達も帰るぞ」
「そうしましょー!
よろしくね」
あかねは馬の顔を撫で、顔を寄せた。
「あかねも病み上がりなんだから、無理するなよ」
「大丈夫だよ!
・・・っと
さ、行こう!」
「そうだな」
4人はそれぞれ馬に跨り、城をめざした。