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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第6章 ラクスド





「はい、10分だよ」


オビがそう言い椅子から立ち上がると


「うん、分かってる。ありがとう」


あかねはそう言うと、オビの元にフラフラと歩いて行った。


作業を終え、1人分ずつ綺麗に薬は分けられており、更に次に作る分の薬草まで丁寧に分けられている。



(ほんと、仕事はきちっとやりきるんだねぇ)


オビは、あかねが作業していた机に丁寧に分けられた薬草を見て思っていると



ポスッ・・・


「おっ・・・と・・・」


あかねはオビの胸にもたれ掛かるように倒れ込み、オビは自然とあかねを受け止めていた。


「ちょっと、疲れたね・・・」


そう言いながら、あかねは目を閉じてオビに身体を預けた。



「そりゃ、そうでしょうよ。
あかね嬢も、あの薪の粒子を吸って作業して、そのまま盗賊退治して、さらに今の今まで動いてたんだから」


「普段なら、もう少し頑張れる気がするんだけどね・・・」


「とりあえず、今は休まなきゃダメですよ・・・っと!」


オビはそのままあかねを横抱きにして(いわゆるお姫様抱っこ)、あかねに宛てがわれた部屋まで連れていった。



あかねは移動中も大人しく・・・というよりぐったりしており、途中兵士に見られることも無く部屋に入った。



ギシッ・・・


オビは優しくあかねをベッドに降ろし、オビはベッドの端に腰を下ろした。



優しく髪を撫でるオビに


「ん・・・」


あかねは心地よさそうにしていた。


「少し、休みなよ」



そう言って、手を止めて部屋を出ようと立ち上がると


パシッ


オビの服の裾が引っ張られた。



「あかね嬢?」



あかねがオビの服の裾を握っていたため、オビはそれ以上動けなかった。



「ん・・・も・・・少し、そばにいて?」



あかねの弱々しい姿。
ここ最近一緒に過ごしてきてはいたものの、いつも笑顔で元気で、そんな姿は一切見せなかった。




「わかった、わかったから

そばにいるよ」


オビがそう言うと、あかねは熱が出てきたのか、潤んだ目でオビを見つめた。




ドキッ・・・


オビはそんなあかねの姿に不覚にもドキッとし、気づけばあかねの唇に口付けをしていた。

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