第6章 ラクスド
ガラッ・・・
「そこ、座れ」
ゼンは白雪のために用意された部屋へ行き、ベッドに座るように指示した。
白雪は大人しく座ると
「知りたいことがある
白雪、お前ゆっくり60秒目閉じろ」
「60・・・脈拍?」
頭の上にハテナを浮かべる白雪だが、
「いいから
ゆっくりだぞ
途中で開けるなよ」
とゼンは有無を言わさなかった。
「よし
いーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーち」
「!?
何
待っ・・・」
ゼンが辞める様子がないため、白雪は疑問に思うものの、目を閉じた。
そしてすぐに眠りにつき、小さな寝息を立てていた。
眠った白雪の頬に手を添え、
「青い顔して・・・
言えよ、白雪・・・」
ゼンはそう言い、白雪を抱きかかえ、ベッドに寝かせた。
カタンッ・・・カタッ・・・
「♪〜」
鼻歌を歌いながら、煎じ薬の準備を続けるあかねの元に
「あかね嬢!」
「オビ!
どうしたの?何かあった?」
オビが部屋の中に入ってきた。
「お嬢さんの所に主が行ったからさ
あかね嬢も、一旦休憩かなって思って」
「あ〜なるほどね
わかった、もう少ししたら休むよ」
オビの報告で、白雪がやっと休めることに安堵したあかねだが、そのまま手を止めることなく作業を続けた。
「・・・・・・」
パシッ!
「!?
・・・何?」
オビはあかねの手を掴み、手を止めさせた。
「お嬢さんが休んだら、休んでくれるんでしょ?」
まっすぐにあかねを見て言うオビ。
「うん。
でもね、ここまでやっておけば、白雪は更に休めると思うの。
ここまでやってから、ちゃんと休むから・・・ね?」
オビより背の低いあかねがオビを見つめると、自然と上目遣いになり、オビは一瞬ドキッとするも、平常心を保った。
「・・・わかった。
じゃあ、10分だけね。
俺も見てるから」
「ありがとう、オビ」
オビは近くの椅子に座り、作業を続けるあかねの様子を見た。
(青い顔して・・・無理しすぎなんだよなぁ)