第6章 ラクスド
カッカッカッ・・・
ゼンが廊下を歩いていると
「主!」
バッと、近くの木から顔を出すオビ。
そのまま廊下に飛び移り、しゃがんだ。
「なんか、難しい顔してますね」
「オビか・・・外、異常ないか?」
「そっちこそ
何か異常ないですか?主」
そう言うオビを、ゼンはじっと見つめたあと
「・・・白雪、見たか?」
「見ましたよ」
そう答えたオビ。
その時、2人は近くに人の気配を感じた。
「・・・・・・」
「・・・下がっても?」
ニッと口角を上げて言うオビに、ゼンは
「あぁ、ありがとな
あと、あかねを頼むぞ」
と声をかけ、オビは「承知しました」と言い、行ってしまった。
「よう
通って構わないぞ」
そう言うと、白雪が柱の影から出てきて、ゼンはそんな白雪にニコッと笑顔を見せて手を振ると、白雪も手を振り返した。