第6章 ラクスド
「・・・従者がどうして隠れるかな
あかねさんも隠れちゃうし・・・」
スタン!
「あんまりウロウロしてると
怒られるんだよね」
着地をして、ははは、と笑って誤魔化しながら言うオビ。
「でも、あかね嬢は隠れなくてよかったよね」
「んー・・・なんとなく?」
可愛く小首を傾げるあかね。
「俺を警戒しないのかい?」
オビは白雪を見て言うが
グラグラグラ・・・
「お嬢さん
目が据わってますよ」
白雪は頭がグラグラして考えられていなかった。
「助けてもらったあと警戒するなんて
器用さを今求められても
何が何やら・・・」
そう言って荷物を持ち直すと
「じゃあ、どうもありがとう」
そう言う白雪に驚くオビ。
「お嬢さん
あんな体壊してるだろ
なんで主に隠すわけ?」
「主・・・
あなたも皆には黙っててね」
「そう言われても
あんたの言う事聞く義理はないからね」
「ーーー・・・
だったら
ひとつ借りで」
「・・・・・・借り?」
「借り」
青い顔でオビを見る白雪に、オビは
(矢で脅したことは持ち出さないのか・・・)
「ーー・・・いいけど
隠す理由教えてよ
お嬢さん」
そう言われて、白雪はゼンと兵士達の姿を思い浮かべた。
「自分でなんとかできるから平気」
「何とか出来てないから
言ってんでしょうが」
カシャン!
遠くで回復した兵達の楽しそうな声が聞こえた。
それを、嬉しそうに見つめる白雪。