第6章 ラクスド
白雪に有無を言わさず、あかねは作業台に立ち、白雪は椅子に座ってあかねの作業を見守った。
「こんな感じ?」
「はい!さすがですね・・・あかねさん、なんでも出来ちゃう」
「白雪が教えてくれるからだよ
このままやってるから、白雪、少し寝たら?」
「いえ
あかねさんにしてもらっているのに
私だけ休む訳には・・・」
「そういうのいいから!ね?」
「・・・じゃあ、もう少ししたら休ませてもらいます」
「・・・ん。分かった」
あかねはそう言うと、作業に集中した。
その後、交代勤務で起きた兵たちに煎じた薬を飲ませ、白雪はその後症状の聞き取り調査を行った。
あかねはオビの元へいき、2人で木に座りながら、白雪の様子を見ていた。
「白雪、休ませたいんだけどね・・・」
「それを言うならあかね嬢もでしょ?
寝てないじゃん」
「わたしは体力あるから平気なの」
「そんなことないと思うけどねぇ」
「ねぇ、オビ
私が目を離している間、白雪のこと見ていてくれる?」
「あかね嬢、どこか行くのかい?」
「んーん
白雪、私の見ていないところで辛そうにしてる気がして。
さりげなくフォローして欲しいってこと」
「なるほどね
あかね嬢の頼みとあれば、引き受けましょう」
オビはそういい、あかねの頭を撫でた。
「・・・なに?」
「いや?
まぁ、あかね嬢も無理しちゃダメだからね」
「ありがとう
じゃあ戻るね」
そう言い、あかねは木から砦内に飛び移った。
「あ!あかねさん!
どこかに行ってたんですか?」
白雪と廊下で会い、声をかけられたあかね。
「ちょっとね?
白雪、次は何するの?」
「また、薬を用意しようと思ってます」
「了解、手伝うよ」
「ありがとうございます」
白雪は疲れた顔に無理やり笑顔を作って言った。