第6章 ラクスド
「・・・・・・と
よし、書けた・・・」
ばたりと机に突っ伏す白雪。
(次は・・・報告書作る前に
もう1回話聞かせてもらって・・・
あかねさんが準備してくれてる薬草で、
午後の分の薬を用意して・・・
薬歴は・・・
治療室に・・・・・・)
白雪の体力は限界に近づいており、
そのまま眠りにつきそうになる。
「全く」
バッ!!!
「あれ
悪い寝てたか?今」
急にゼンが部屋に入ってきたため、白雪の目は一気に冷めた。
「ううん?」
「・・・そうか」
部屋の外からは、ドタバタと元気な兵たちの声と足音がしていた。
「・・・寝てられんか、これじゃ・・・
回復したらしたで
騒がしいんだよな、あいつらは」
そういうゼンの顔は、安心したような優しい表情だった。
「ほっとした顔してますよ?
ゼン殿下」
白雪に言われると、ゼンはキリッと表情を引きしめて
「・・・してないだろ」
と反論した。
「いや、にじみ出てる」
「・・・・・・」
白雪の言葉に何とか返そうとするゼンに
「でも普段鍛えてる人達だからかな
回復が早いよ
もうほとんど大丈夫そう」
「あぁ、今日1日問題ないようなら
明朝には出ようと思う
いいか?」
「うん」
「殿下
今後の連絡体制について
少し宜しいですか?」
兵のひとりがゼンへ声をかけ、ゼンはじゃあな、白雪と言って部屋から出ていった。