第6章 ラクスド
「ふー!
手応えなかったねぇ」
「あかね嬢、強いんだね」
「なに、わたしのこと
使えないやつだと思ってたわけ?」
「いや、そういう訳じゃないけど
・・・華奢だし、どちらかと言うと
ミツヒデの旦那たちに
守ってもらうのかな?と・・・」
「はは!
あかねは強いよ
俺だって本気出さなきゃ勝てないな」
「む!
わたしミツヒデに負けたことないよ!」
「こら、無駄話してないで
早く盗賊の荷物確認して砦に戻るぞ!」
「「はーい」」
「オビのせいで怒られちゃったじゃん」
「それはすみませんね、あかね嬢
まぁ、無理はしないでくださいね」
「はーい」
オビとコソコソと話し、あかねとオビもゼン達のことを手伝った。
5人で砦へ戻るとー・・・
「殿下ーー!!」
「ゼン殿下!!」
「ご無事で!!」
砦の屋上から、行く前は倒れていた兵達が顔を出し、ゼンの戻りを喜んでいた。
「おまえらー・・・」
ミツヒデ、木々、あかねも顔を見合わせて喜び・・・
「白雪どの!
白雪どの!」
兵のひとりに呼ばれるように出てきた白雪。
「ゼン!」
嬉しそうな笑顔の白雪を、ゼンは愛おしそうに見つめた。