第6章 ラクスド
「なぁんだ?
てめぇら」
盗賊の1人が言うと、ゼンが答える。
「王城より来た兵団の者だ
困るな
勝手に人のものを
持って行かれては」
「あはは!
あれっぽっちの小勢で
お城の兵隊さんだってよーー!」
「あらら、そりゃあわざわざ
ご苦労さんだ」
「たかーい城壁ん中で
お昼寝でもしてりゃあいいものを
なぁ!」
盗賊たちは口々にバカにしたように言う。
「・・・昼寝は好きだよな」
「好きだな」
「うん
毎日してるよ」
「それは寝すぎだな」
盗賊たちが大笑いする中、確かに、と考えるように言うゼン達。
ゼンは、刀を抜きながら・・・
「だがあいにくと
それは御免だ」
「おっと
やる気だね、お兄さん・・・
・・・・・・ん?
アレ2人・・・」
「女!?」
「女がいるぜ」
盗賊たちの熱い視線の先には、木々とあかね。
「いい手土産持ってんじゃねーか」
「気が利くなー」
「その姉ちゃん達置いて帰んな」
「あら・・・私たち、いつから手土産になったのかしら?」
あかねは木々の方を見るが、木々は盗賊を見てすらいなかった。