第6章 ラクスド
ザッー・・・
「みーつけた」
あかねは、木の上から辺りを見渡し、数m先に盗賊達がいることに気づいた。
「さて・・・暴れちゃいますか」
そう言い、短剣を手に盗賊の元へ行こうとしたあかねの所に
「ちょーっと!待った!」
オビが追いかけてきた。
「何よ、止める気?」
「あかね嬢だけじゃさすがに相手が多いでしょうよ
ちょっと待って、主達と乗り込みましょ」
「えー・・・」
あかねはオビの言葉に、口を膨らませて不機嫌をアピールした。
「そんな可愛い顔してもダメですよ
・・・ほら、主達来ましたよ」
そんなやり取りをしていると、ゼン達が追いついてきた。
「あかね!
お前はまた勝手に・・・
俺にもやらせろ!!」
ゼンはあかねに怒るが、怒る方向性は自分がやっつけたい、ということのようだ。
「ちぇー。
じゃ、行きますか!」
皆で頷きあい、盗賊の元へ降り立った。
「大体、悪事を働いた身で
まだラクスドにいてくれるとは
親切な奴らだな」
「そりゃ
砦を標的にする
図太い神経の持ち主だぞ?ゼン」
「商売道具の薪が重いんじゃないの?」
「なるほどね」
「あんたら
皮肉の大合唱ですよ
それ」
4人が話す内容を、ははっと苦笑いしながら聞くオビ。
ザッ・・・
「お前たちか
砦の者に手を出してくれたのは」
ゼンは盗賊たちを睨むように見た。