第6章 ラクスド
「よし
ミツヒデ!いるか?」
ゼンは後ろにいるであろうミツヒデに声をかけると
「いるだろ
さっきから・・・」
と呆れたように言う言葉が帰ってきた。
「盗賊が絡んでる
疑いがあったな?」
ニッと笑うゼンに、見張りの男が
「あ!
そうなんです、あかねさんが!」
「?あかねがどうかしたの?」
木々が聞くと
「白雪さんが出て、
部屋の窓やドアを開けて換気したあと、
俺が今みたいに
旅団の人が薪をくれたって話をして・・・
そしたら、ここを任せるって言って
窓から出ていっちゃったんです」
それを聞き、ゼン、ミツヒデ、木々は額に手を付き
はぁー・・・
とため息をついた。
「オビ」
「?
なんですかい?主」
ゼンはオビを呼んだ。当然一緒にいたオビは返事をする。
「あかねは、1人で盗賊を追ってる。
何人いるか分からんからな
一旦止めてくれ
俺達も追いかける」
「了解」
オビはゼンの言葉に答え、すぐに森の方向へ走っていった。
「よし、じゃあ、行ってくる」
ゼンは白雪へそう言い、ミツヒデ、木々と共にオビを追いかけるように行った。