第6章 ラクスド
1度部屋を出るゼンと白雪。
「だいぶ弱ってるな、あいつ・・・」
ゼンが扉を閉めて言うと、
「ゼン
ゼンはもう外に出ないと」
「!」
「倒れちゃまずいよ」
白雪は静かに、まっすぐゼンを見て伝えた。
ゼンは
「・・・・・・
・・・・・・
もう少し残る」
白雪とゼンで残る、外に出て、と言い合いをするが、
白雪が身分証をかざし
「ーーゼンと一緒にいることで
何か出来るなら
そうするよ
でも今は違うー・・・
違うけど
私なりに力になれるように
やってみるから」
「白雪・・・」
まっすぐ伝える白雪に、ゼンは元気だった時の砦の兵達の姿が浮かんだ。
下を向き、考えた後、ゼンは白雪を見て
「ーーー俺も
残る・・・」
「ーーー!」
白雪は、ゼンをどう説得するか困ってしまった。
そこへ、ミツヒデとあかねが来た。
「ゼーン
それは日没までだって
言っただろ」
「約束、守ってくれないと困るよ」
ゼンは2人の言葉にギクッと肩をふるわせた。
「今は自分の立場を
考えないとダメだ」
ミツヒデがゼンへ言うと、ゼンは再び考え込み
そのまま白雪へ頭を下げた。
「我儘を言った
取り消す
・・・何かあったら呼んでくれ」
「ゼン、私が残る
何かあったらすぐ報告するから」
あかねはゼンにそう言うと
「あかね・・・
わかった
無理はするなよ」
そう言い、ゼンはミツヒデとともに砦の外へ出た。
「ーーよし、白雪
まずは、原因を追求しなきゃだね」
「あ、あかねさん・・・
わたし1人で大丈夫ですよ」
「何言ってるの
一緒に、早く解決しよ?ね?」
あかねの笑顔に、白雪はほっと一息ついた。
「ありがとうございます。
実は、ちょっと不安だったんです
あかねさんがいてくれて、心強いです」
2人で笑いあうと、よし、と気合を入れて、再び兵達が眠る部屋に入っていった。