第6章 ラクスド
フラッ・・・
「お・・・っと
大丈夫?」
シュカがふらつき倒れそうになるが、あかねが間一髪支えた。
「あ、ありがとうございます
本当に、すみません・・・」
「大丈夫だよ
あとは私たちに任せて
ね?」
笑顔を向けるあかねに、男はドキッとした。
ガチャッ・・・
男に案内され、上の階の部屋に来た2人。
「見張りをしながら、ここで休んでました」
見張りの時の休憩部屋のようだった。
「ちょっと寒いね・・・布団を持ってくるよ」
「ありがとうございます」
あかねは近くの布団をかき集め、シュカに掛けてあげた。
「何か、こうなる前のことで覚えてることはある?
例えば、人が訪ねてきたとか・・・」
「いや・・・
砦だから、めったに人が来ることはなくて。
俺、外で見張りしてることが多かったから、間違いないです。
あ・・・そういえば、旅団が1度来てた気はします。」
「旅団ね・・・わかった
一旦よく休んで。
また来るから」
あかねはシュカの頭を撫で、部屋から出た。
部屋の外にはオビが壁に寄りかかって立っていた。
「?
どうしたの」
あかねが聞くと
「ん?別に?
あかね嬢も、いろいろ見て回るんでしょ?」
「そうね
オビ・・・ゼンのこと、頼んでいい?」
「主?
あかね嬢はどうするのさ」
「私はちょっとだけ別行動」
「ふーん・・・
まぁ、あかね嬢の頼みなら仕方ないね
じゃあ、また後で」
「うん」
そう言うと、オビはゼンの元へ行き、あかねは別の方向へ歩き始めた。