第6章 ラクスド
ドドッ・・・ドドッ・・・
「すまないなー白雪
ちょっと急ぎの用事だから
途中までしか送れないけど」
ミツヒデは、自分の馬に乗る白雪に言うと
「いや!
私こそすみません
同行した上に乗せていただいて・・・」
「いえいえ、お安い御用です
馬車より早いからね」
「あかねさんも木々さんも、
自分で馬に乗るんですね」
白雪は、あかねと木々の方を向いた
「人の後ろには乗らないねぇ」
「そうだね」
「わたしの相棒、ちょっと暴れることあってね
ごめんね、ミツヒデの後ろで」
「おい、あかね
それってどういう意味だよ!?」
「暴れるって、やはり馬も人も似るんだな」
「ゼン、何か言った?」
「いや、何も」
そんなやり取りで、皆笑顔になった。
暫く走ると、辺りは雪景色になった。
「この辺りまでくると
一面真っ白だなー」
「厄介な・・・」
雪に反射して一面眩しい景色に木々はそう呟き
「ははっ
眩しいからなぁ
何か羽織れよー木々も!」
そうミツヒデは言った。
全員羽織を着て、再び走り始めた。
ゼンは走りながら辺りを見渡しているが、その表情は決して明るいものではなく、白雪はその様子が気になった。
「ーーゼン
暫く外出はないって言ってたのに
何かあった?」
「いつもの視察だ
雪が深くなる前にと思ってね」
「心配いらない?」
そう言う白雪に、ゼンは
「してくれるのか?」
と笑いかけるが
「うん
今
し終わったけど」
そう言い前を向く白雪に
「何!?」
驚くゼンだった。