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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第5章 宮廷薬剤師





ダダダダー・・・


「あ

来た来た」


ミツヒデが足音を耳にし、そう言うと、


「え・・・」


リュウもミツヒデの目線の先を見た。



「リュウ!」


勢いよく走ってくる白雪は、そのままリュウの前に立ち



「リュウ
平気ですか!?」


「!?」


「私驚かせたみたいで・・・
すみません」



リュウは驚いた顔をして、その後俯きながら・・・


「ーーなんで・・・
来たの?


さっき
おれ
あなたのこと

怒らせたんじゃないの?」


必死に言葉を紡ぐリュウ。



「さっきって?
話が見えない」


「さあ?
俺には盲目検討もつかん」



「絶対知ってるだろ・・・」



そんなゼンとミツヒデのやり取りに構わず、白雪はリュウと目線を合わすようにしゃがみこみ



「ーーリュウ

私の名前
覚えてますか?」



「覚えてるけど・・・?」



「じゃあ、
呼んでくれたら
怒ってるかどうか答えます」



「!?

いや
おれは・・・」



予想外の白雪の言葉に驚くリュウだが、
先程のゼンの言葉を思い出し・・・



「ーー・・・・・・

し・・・・・・

しら・・・・・・ゆ・・・き・・・さん」



戸惑いながら言うと、白雪は笑顔で

「はい!」

と答えた。


「リュウ、
走ってくれてありがとう」



「ーー・・・うん・・・



うん」


リュウは、今までの人との関わりと違うが、とても心地よいものを感じ、
リュウも照れ混じりの笑顔で答えた。




「リュウ、良かったね」


あかねがリュウの頭を撫でながら言うと


「・・・あかねさん・・・・・・」



「リュウとあかねさんって、知り合いなんですか?」


2人の自然なやり取りを見て、白雪が聞くと


「んーそうね

わたしが仕事に飽きてハルカ侯に見つからないように城内を散歩してたら
薬草摘んでるリュウに会ってね
何回かお手伝いした仲だよ

なんかね、可愛い弟って感じ」


ぎゅーっと後ろから抱きつきながら言うあかねに、


「・・・あかねさん、やめてよ・・・」


恥ずかしさと鬱陶しさの混ざった反応のリュウ。




「・・・迷惑そうにしてるけどな」


2人の様子を見て、ゼンが苦笑いしながら言った。

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