第5章 宮廷薬剤師
ハッ・・・
ハッ・・・
ハッ・・・
リュウは城内を走り、
「ーーーー・・・・・・!!
王子!
待って!!」
そう前にいるゼンに向かって叫んだ。
そこには木々とミツヒデ、あかねもいた。
近くの衛兵が
「こらキミ!
無礼だぞ
止まりなさい!」
そういい、リュウ
抑えようとすると、
「待っ・・・!」
リュウは必死に足掻くと
「構わん
どうした?リュウ」
ゼンが衛兵を止め、リュウの言葉に耳を傾けた。
ゼーッゼーッ
体力のないリュウは、膝に手を付き、必死に息を整えようとした。
「・・・・・・っ
あの・・・・・・
・・・・・・っ
ケホッ」
「おい・・・平気か?」
心配するゼンを見て、
「・・・・・・おれ
どっ
どうしてだか
わかんないんだけど・・・
あの人が
ひとりで
な
泣いてて・・・」
必死に言葉を紡ぎながら言うリュウ。
そんなリュウに、ゼンは行ってくると言い、リュウの頭をポンッと叩いた。
「リュウ、大丈夫?」
「あ・・・
あかねさん・・・・・・」
「頑張ったね?」
「・・・・・・っ」
目線を合わせて声をかけてくれたあかねに、リュウは少し恥ずかしそうにしていた。