第5章 宮廷薬剤師
そのころ、薬室に残されたあかねと男はー・・・
「白雪が、なんで怒ってるか分かりますか?」
「はっ!
人の噂に耳を傾け、人を見かけで判断したこと・・・全て自分の責任です。」
男はあかねと2人きりは少々緊張で身の負担が大きいのか、胃のあたりを押えながら話していた。
「ん。
貴殿は、気づいてくださっているので
安心いたしました。
人を見た目で判断するということは
とても安易なことです。
人の噂を鵜呑みにしていたら
いつか自分の意見を持たなくなります。
自分の目で見て、考え、行動してください。
・・・まぁ、これはわたしもある人からの受け売りですけどね」
あかねは真面目な顔で話し始めたものの、
最後は“ある人”を思い浮かべ、優しい表情になった。
(美しい・・・///)
「はっ
ありがとうございます。」
男は顔を赤くして答えた。
木の下に移動したゼンとリュウ。
「・・・・・・怒ったのかな・・・」
「白雪か?」
「・・・・・・
おれ
なんでか
人のことはよく分からないんです
俺の理解力が
人に理解されないくらい
異質だからかな」