第5章 宮廷薬剤師
「そんないい加減な判断で
していい話じゃない!!
撤回していただけますか」
白雪は目の前の男を睨みつけた。
「怒気・・・!
はっ!
軽率でありました!!」
男は青い顔をしたまま敬礼をして、白雪へ謝罪した。
スクッ・・・
「・・・ちょっと失礼します」
白雪はスっと立ち上がり、リュウが入っていった部屋へ向かった。
(?
少し部屋が空いてる・・・)
カラ・・・
「・・・リュウ?」
リュウは白雪の方を見ることなく、床に敷いた大きな紙に難しそうな式を書いていた。
「・・・・・・そんなに
必死になることじゃないよ」
「ーー・・・バカなこと言わないでください
・・・室長、呼んできますね」
そう言うと、白雪は扉を閉めて部屋から出ていった。
「・・・・・・
・・・ば・・・・・・・・・・・・ばか?」
「初めて言われたのか?」
「うん・・・・・・」
バッ!!
「え・・・王子?」
白雪によって閉められ、部屋の中には自分一人しかいないと思っていたリュウは、突然自分の独り言に返事があり、驚いて声がした方を見た。
そこには、窓の外からこちらに身を乗り出すゼンがいた。
「おぉ、顔覚えてた?
ここは
「白雪の友人」でよろしく!」
そう言い、ゼンはリュウに手を振り、2人は薬室の外の木の下に座った。