第5章 宮廷薬剤師
「破片で切ったりしていませんか?」
「はは
大丈夫ですよ」
男はそう言い、白雪から白湯を受け取った。
「ハア
参った・・・
あの少年の薬じゃ
怖くて飲めないよな・・・」
ズズ・・・と白湯を啜りながら、男は呟いた。
そんな様子を見た白雪は
「・・・以前
合わなかったことが?」
「え?あぁ、いえ
そうではないんですが」
男はフーフーと白湯を冷ましながら、
「子供とは思えない知識と表情で・・・
得体がしれないでしょう、彼は
薬剤師とは言っても
関心があるのは植物の毒のみで
いつも実験台を探してるとも
聞きますからね・・・
できれば
関わりたくないという話です」
悪びれもせずに言う男。
「・・・・・・植物が外敵から
身を守るために作る毒素が」
「はい?」
急に話し始めた白雪を男は見た。
「人体には薬になることが多いと
ご存知ですか?」
「えっ・・・
い、いやあの
ですが犠牲者も出たとか
出ないとか・・・」
ダンっ!!
白雪は思い切りテーブルを叩き・・・