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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第5章 宮廷薬剤師





ガチャッ

「リュウ!お願いします」


リュウはすでに何かの薬の調合を始めていたが、白雪に声をかけられて手を止めた。


「え・・・・・・

俺しかいないの?」


「?はい

室長も外出中で」


「・・・・・・」


リュウは何か(いやそうに)考える素振りをして


ガラッ・・・


ペコッと男に頭を下げたリュウに、男は


「!!!」


驚いていた。



「あの人の薬歴、出してある?」


「あ、これです」


リュウは薬歴に目を通すと、


カチャ…カコッ……

薬の調合を始めた。


そんな様子を白雪は嬉しそうに見つめ、

「・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・あのさ」


「はい?」


「・・・やりにくいんだけど・・・・・・」


そんなやり取りをしながら、調合を続けた。








コトッ・・・

「どうぞ」


「あ、あぁ・・・

ありがとう・・・」


スル・・・

ガシャーン!!



「!?」

白雪が振り返ると、今渡したガラスのコップが床で割れていた。


「!だ、大丈夫ですか!?

私片付けますね!」


「どうも」


「す・・・すまん

手に力が入らなくて・・・」


男は力ない笑顔をリュウと白雪に向けるが、リュウは人睨みして


「その患者さんは
室長たちの薬がいいよ

白湯飲んで休んでもらってて」


ガラッ・・・ピシャン!!

リュウは自分の部屋に戻ってしまった。


「リュウ」


ガラスを片付けていた手を止めて、急に戻ってしまったリュウを心配そうに見つめる白雪。

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