第5章 宮廷薬剤師
ガチャッ・・・
「白雪さー・・・」
奥の部屋から、小さな男の子が入ってきた。
「リュウ!どうしましたか?」
白雪がリュウの方を向いて聞くと
「リュウ!久しぶりだね!」
「あかねさん
お久しぶりです」
あかねはリュウに手を振り、リュウはペコッと頭を下げた。
「え、えぇ!?
あかねさんとリュウって、知り合いなんですか!?」
「んー…知り合いというか…ね?」
「・・・・・・」
「?・・・気になります」
「まぁまぁ・・・」
あかねが笑いながら言うと
コンコンッー・・・
部屋をノックする音がして、リュウはさっと奥の部屋に戻ってしまった。
ガチャッー・・・
「申し訳ない
どーにも胃がムカムカして・・・
すぐ飲める薬を
出して欲しいんだが・・・」
「あ、はい今」
男は俯き、胃のあたりを押えながら部屋に入ってきた。
顔を上げて見ると、ギョッとして
「あ、赤髪…それにあかねどの…」
白雪を見て驚き、あかねを見たあとは少し顔を赤らめていた。