第5章 宮廷薬剤師
「ふーん
白雪担当の上役ってとこか・・・
リュウって名は男だよな?
どんなだ?」
「んーー」
「わたし、見たことあるな
まだ若いよね」
木々がそう言うと、ゼンとミツヒデが
「そうなの!?」
と食いついた。
「今、12歳で
薬学を熟知してるって
室長に聞いたよ」
「あーーーーー
俺も前顔見たな」
ゼンが思い出すように言うと
「城に来た当初、すごい秀才だって
噂になってた彼かな?」
「そうだな」
あかねとミツヒデが言った。
コソ・・・
「12歳なら心配ないな、ゼン」
そう笑顔で言うミツヒデに
「ははは
おまえ、日が沈むまで喋るな」
何かを考える様子の白雪を見て、
「そういえば
ハルカ侯に白雪の事を話したら
ため息ついて
「おめでとうございます」って
言ってたぞ」
「ため息…」
「面白いよね、あの人」
「本当にね」
白雪が苦笑いして言うと、木々とあかねがくすくす笑いながら言った。