第4章 *midnightバンパイア(セト)
…真夜中の午前0時を回った。
辺りはとても静かで人里離れた場所に、ぽつんと佇む大きな洋館がそびえ立つ。
ここには、血を求め不老不死で有名な化け物が住んでるという。
そんな噂が立ってるせいか人間が立ち入る事はほとんどない。
ここに住んでるのは、一人の少女…(といっても何百年も生きているが)
見た目は黒く少しウェーブのかかった長い髪に
ルビーのような赤く大きな瞳。
主食は血液、精液、唾液等の体液。
朝は苦手で活動は真夜中。
そんな彼女は今日も血を求め館を出る。
「クンクン……ここら辺に、人間はいないみたいね。
ま、迷い込むなんてあんま居ないか……避けられてるし。」
木々がおいしげる森を抜け、小川で一休みをする。
真っ暗な道でも、目は利く方なので問題ない。
さらさらと、流れる小川をぼんやりとみる。
「……もう何百年もこんな暮らし。(さみしいなんて、化け物の私が思ってもしょうがない…仲間もいないし友達は森の動物達だけ
私も普通の人間として、生まれてたら……なんてね。)」
水面に映る満月を眺めながら、その場に動かず只、只時間が過ぎるのを待った。