第3章 Memory that has been forgotten
遊園地にたどり着くと、平日と言うこともあって来客は疎らだった。
キドさんの能力、隠すで私達の姿は存在を消して
中へと入る。
最初は皆でジェットコースターに乗って、ゴーカートに乗ってと楽しんでいたのだけれど
途中からそれぞれが行きたい場所へと向い
バラバラに離れていった。
『……なんか、甘いものが食べたいな』
「そうっすね…あ、そこで売ってるかき氷なんてどうっすか?」
「…俺はコーラ…」
とりあえず、日陰で休もうとベンチに座ると
セトも隣に腰かけて目の前にある屋台に指を指した。
すると、シンタローさんも隣のベンチに座っていたようで覇気のない喋りに体力が底をついたのだと悟る。
『シンタローさん、大丈夫ですか?コーラ私が買ってきますね』
「…あ、悪ぃ…」
『大丈夫ですよ、あ、セトはシンタローさんの事見ててあげて?』
セトも立ち上がったので、シンタローさんと一緒にいてほしいと伝えると、眉根を下げて渋々承諾をした。
まるで置いていかれた子犬ような顔をするものだから、とても可愛くてつい笑みが零れる。
『そんな顔をしないで?すぐに買って戻るから!』
そう言って、二人を置いて屋台へと向かった。
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「…はぁ~」
「わ、悪ぃ…二人の邪魔をするつもりはなかったんだよ…」
「あ、すみませんっす…そんなつもりじゃなくって…」
がいなくなったあと、深く落ち込んだセトは長いため息を1つこぼした。
それを聞いたシンタローはビクッと肩を跳ね
申し訳ないと頭を軽く下げた。