第3章 Memory that has been forgotten
「そろそろ、如月達もつく頃か…」
11時に時計の針が差し掛かる頃、ピンポーンとインターホンの音がなる。
ドアを開ければ、手荷物を持ったモモさん、シンタローさん、スマホの中にいるエネさん、
ヒビヤさんにコノハさんがいて私達も軽い荷物を持って
外に出た。
少し歩けば炎天下のじりじりとした容赦ない暑さが、私達を襲い、歩く度に体力を削られるようだった。
「っ…暑い…暑すぎる…なんでこんなに暑いんだ…」
「ご主人、さっきから暑いしか言ってなくてエネうんざりですー!少し黙っててください!」
「暑い…」
「マリーちゃん、大丈夫?」
既にメンバーの内、二人はこの暑さにやられ
まるで砂漠にあるオアシスを求めるかのようにふらふらとした動きで遊園地へと向かっていた。
「情けないな~二人とも、この暑さじゃまだましなほうじゃない??」
「遊園地まであと少しだから、もう少し頑張れ」
先頭を歩くカノさんとキドさんが、振り反って二人を励ます。
キドさんの言葉に、暑さに弱りかけた二人も最後の力を振り絞るように足をまた1歩動かした。
『……』
蝉の鳴き声が鬱陶しく、暑さで陽炎がゆらゆら揺れて見える。
遊園地またこうして、皆と行けて嬉しいな。
ジェットコースターに乗って、私はふらふらして
シンタローさんは吐いてしまって。
コーヒーカップでは、セトと一緒に乗ったけど
回しすぎちゃってお互い目がぐるぐる回って。
カノさんに奢って貰ったアイス美味しかったな。
濃厚なバニラアイス。
マリーさんとコノハさんが迷子になって、皆で探したんだよね。
そーいや、ヒビヤさんは物販コーナーに夢中で
モモさんと一緒に美味しいもの食べたっけ。
………
『…あれ?』
「どうしたんすか??」
立ち止まるとセトも不思議そうな顔して
数歩歩いた先で立ち止まっては、こちらを振り返る。
『あ、…ううん、なんでもない』
疑問に思った事を、きっと気のせいだと頭を横に振ってまた1歩歩きだした。
なんで、とても懐かしく思ったのだろう。
なんで、とても切ないと感じたのだろう。
私は、今何を考えていたのだろう。