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古の過去と遠い記憶 (カゲプロ)

第3章 Memory that has been forgotten


そう悲しそうに告げる瀬戸さんにとても心が痛む

後から瀬戸さんに聞いた話によると

ここは何かしらの能力を持った人たちの集まりで

私にもあるみたい。私の能力は目を失くす。。
何でも能力を上手くコントロール出来ず
不定期に発動して今みたいに記憶を失ってしまうらしい。

そして瀬戸さんが言うとおり、私は人見知りだ。
知らない人を前にすると何も話せず固まってしまう。
だから、能力が暴走する度に瀬戸さんが自身の能力を使い
その度に私の精神状態を把握する…らしい



「…が能力発動した後は
いつも何かに怯えたようにビクビクしてるんすよ
その時に如何した?能力暴走した?って聞くともっと不安にさせると思って俺は能力を使うんす」

『…そうなんですか…ありがとうございます、瀬戸さんって優しいんですね』

どこか他人行儀なやりとりに瀬戸さんがとても辛そうな表情をした。

『…あの、そんな顔をしないでください…話を聞いてると毎回迷惑をかけてばっかりみたいで…申し訳ないです』


「…っ…お願いだからっ
敬語はやめてほしいっすっ…それと…セトって呼んで欲しい」

『…ごめん…セト…』

今にも泣き出しそうな瀬戸さん…セトを見て
これ以上見ていられなかった。
彼が望むことを今の私が出来る範囲ならやってあげたい
少しでも、笑顔が見られるなら。
そう思って敬語をやめ彼の名を呼び捨てると彼はとても嬉しそうにはにかんで見せた。







「…写真立てに書いてある数字っすか?」

『うん…何の意味があるのかな~って』

「さっき、途中まで話したんすけど
ここはメカクシ団のアジトで俺達以外にメンバーが居るんすよ
で、名前の後に書いてある数字がここの団員番号っす」


『へー…じゃ、私は団員NO.10?』

そうっす!…と元気よく返事するセトに
さっきまで不安でいっぱいだった胸が、重荷が外れたように軽くなった気がした。
なんだろう、やっぱりセトが言う仲間だからなのかな?


しばらくセトと2人で談笑してると、私のお腹からぐぅーと
盛大な音が鳴ってしまった。


「『……っぷ』」



お互い顔を見合わせ、しばらくしてからクスクスと笑い合った。


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