第2章 infinite loop
「ところでサクヤさんはどんな能力持ちなんすか?」
『……簡単に言えばコピーかな』
コピーって事は“目を写すだね”なんて能力に名づけるカノは、ニヤニヤとこちらを面白そうに見ていた。
キドは呆れた顔でカノを見ていて、マリーはきらきらと目を輝かせながら俺を見る。
「コピーってすごいね!!…てことは、私のも使えるんだよね?」
『あ、ああ。…ま、上手くコントロールは出来ないけどな。』
俺の話を聞くと、マリーは嬉しそうに顔を綻ばせた。
そんなマリーを見ていた俺を不意にキドがカゲロウデイズについて話し始める。
「…サクヤはカゲロウデイズについて知っているか?
俺達は皆、誰かと一緒に危険な目に遭い何かに呑み込まれたんだ。そして、もう1人は行方不明になり代わりに能力が宿るみたいなのだが…もし、なにか知っていたら…話して貰えないか?」
「…言いたくなければ、無理に話さなくても良いんすからね」
「…マリーは母親とキドはお姉さんとセトは大事な友達とそして僕も母親と…その変な物に呑み込まれたんだ。」
キドの話に続いてセトとカノも話し出す。
先程まで、明るい場の雰囲気がカゲロウデイズの話になり出したとたん一気に暗く重たい空気に変わった。
皆、悲しそうに顔を歪め、マリーに至っては半泣き状態だ。