第2章 infinite loop
アジトをでて、ジリジリと焦がれるような暑さの中
シンタローと肩を並べ歩く。
メカクシ団の人達も連れて行きたがったが、シンタローが珍しく2人だけでと言って譲らなかった。
チラッとシンタローを見ると、普段から外を歩かないから既にバテ気味で
何故、俺と出掛けたかったのか考えても分からなかった。
俺に話があるならシンタローの家に行けばいいし、アジトにも客室があるからそこでも話せるはず
そう考えると大事な話ではない。
と言うことは、俺を連れて行きたい場所があるんじゃないか?
『珍しいな……お前から出かけたいなんて』
「そうですよー!ご主人のくせに今さら、リア充気取らないでください。キモいです。」
シンタローと2人で出かけたつもりが……どうやらエネもこっそりついてきたようだ。
「なんだ……お前も付いてきたのかよ……」
「当たり前です!!ご主人と二人っきりなんて……サクヤさんが汚れます!私はサクヤさんの貞操を守るため、ボディーガードとして付いてきたんです。」
画面いっぱいに顔を近づけ、鼻息を荒くするエネ。
それに多少引きつつも、まっすぐ歩きシンタローについていく。
『……何も聞いてないけど……一体どこに向かってるんだ?』
特に会話もなく、歩くこと数十分。目的地らしい場所にまだ付いてなく痺れを切らし、そう問いかけた。
シンタローはこちらを振り向き、薄く笑った。
振り向き様に携帯の電源を切ったなんて
俺は知らない。