第2章 infinite loop
「お前はサクヤで良いんだよな?」
キドの質問に肯定の意味を込めて首をふる。
「サクヤは能力持ちだよな?…どんな能力なんだ?」
『…………近くに能力者がいるとその能力をコピー出来る。』
「じゃ、目を写すだねー」
黒色がニコニコと此方を見て、能力に名付けする。
キド達がそれに頷き、キドが再び俺に質問をする。
「なんで、あの時マリーの能力が効かなかった?」
やはりそこを突いてきたか。
核心を突いた質問に俺はしばらくの沈黙後、包み隠さず全てを話した。
『それも能力の1つ。…効かないんだよ。能力を使ってるときは。』
「!?……凄いっすね……だから、あの時の…テロリストに捕まってたとき、サクヤさんの声が聞こえなかったんすか…」
そーいや…緑色が不思議そうにジロジロ見ていたような…
3人して、驚愕な表情を浮かべ此方を見る。
その視線が気まずくなり目線を反らすと、バタンとドアが閉まる音が聞こえた。気になり顔を上げると同時に目がじりじりと熱くなる。
また、能力の暴走か…なんて思いドアの方を見るとキドが何ともないような顔をして、ドアの前に立っている。
「さーて、キドはどこでしょう?」
巫山戯たしゃべり方で俺を見る、黒色。
視線を黒色に戻し、またドアの前に向け首で示す。
「凄いな…サクヤの目が赤いが…どの能力をコピーしたんだ?」
キドの言葉にまた全員の視線が俺に向く。
キドの能力は目を隠すだから…キドの能力ではない。
今回は能力を使ってる能力者のコピーをしたんじゃなく、能力を使ってない方をコピーしたらしい。