第2章 infinite loop
∞仕組まれた出会い
…最悪だ。
一日で2度もアイツ等に会うなんて。
俺は先程デパートを出て目的もなく只、
コンクリートの上を歩いている。
ちょうど今の時間 太陽は最大限に俺を照りつける。
その容赦ない熱がじりじりと俺の体から水分を奪い取っていく。
朦朧とした意識の中、なんとか自動販売機に辿り着き
目当ての物を選ぶ。
がしゃんと飲み物が落ちる音がした。
下の取口からペットボトルを掴み、キャップを開け口に水分を送る。
ごきゅごきゅと半分程飲み、空を見上げる。
雲1つない晴天。
太陽は激しく身を輝かせながら、俺達を照らしてくれる。
きっと今のままでは変わらない。このループから抜け出さなきゃ何も変わらないんだ。
そう頭では分かっているが変えることの出来ない無力な自分に嫌気が指す。
キャップを閉め、再び歩みを進めると
前から緑色が歩いてくるのが見えた。
気付かれぬうちに逃げようと身を翻すも、時すでに遅し。
後方から黒色がついてきてたようだ。
「やっと、見つけたっす…あれ?カノも一緒だったんすか?」
「なんだー。セトも探してたんだー。」
やられた。黒色につけられていたなんて気付かなかった…
抵抗虚しくそのまま2人に引きずられ、
幾つもの狭い路地裏を抜け107と書かれたドアの前で立ち止まる。
「はい、ここが僕達のアジト。歓迎するよ新人さん」
『だから、俺は関わるつもりはないってさっき言っただろ!』
そう、引きずられる途中何度も放せ、関わるなと言ったが二人して聞く耳持たず。
挙げ句の果て、組織の内情をペラペラと細かく説明し強制加入というなんとも強引なやり方で入団をさせられたのだ。
緑色がドアを開けると、室内から丁度良い冷風が俺の肌を撫でる。