第2章 infinite loop
?アレ、何かが変だ。そーいや…シンタローなんでこんなところにいるんだ?引きこもりのシンタローが昨日に続き外出だなんて。それに…一人で外出。
絶対エネを頼るか俺と一緒じゃないと外に出ないのに。
疑問が1つまた一つと浮かぶ。一度疑ったら目の前にいるシンタローが知らない別の誰かに見えてくる。
シンタローの顔をもう一度よく見る。
姿や声はシンタローだが…一つだけ違った箇所があった。赤い瞳が主張するように鈍く光っていたんだ。
『…お前、シンタローじゃないな?…』
姿を変えられる…目が赤いって事は能力だよな?
…珍しく俺の能力が暴走しなかったから気付かなかったが…
『もしかして…昨日の「っ…あはははっ!…正解っ…よくわかったね。」
俺の言葉を遮りシンタローの姿をした奴は腹を抱えて笑い出す。
怪訝な顔をする俺を見ると姿を徐々に変え始めた。
そう…昨日あの場にいた黒色だ。
「凄いねー…能力を使ってるのに、気付くなんて…やっぱり君は何者なのさ」
『お前には関係ないだろう…これ以上俺に関わるな。』
「ふーん…余計に気になるんだよねー…そう、言われると」
黒色が俺に近づきジロジロと俺の顔…正確には俺の瞳を見る。
「今は赤くないね。…でも、昨日僕達にマリーの能力を使ったよね?」
鋭い…やはり気付いていたのか。
どうやって黒色から逃げる。一筋縄ではいかないようだが…
「ねー…君、困ってない?僕達の仲間になりなよ。怖がらなくても大丈夫だ『お前にっ…かるっ』…え…?」
『お前に何が分かるって言ってるんだッ!!毎日毎日…同じ…』
そこでハッとし、口を押さえて言葉を飲み込む
周りを見れば何事かとその場にいた全員が立ち止まる。
すぐに人の流れは戻り何事もなかったかのようにそれぞれが、別の目的地へと向かっていく。
黒色を見ると先ほどからポカンとこちらを見ている。
俺は居たたまれなくなって…黒色に背を向け全速力でその場から逃げ去るのだった。