第2章 infinite loop
《あーテステスおっ聞こえてるな?》
《えー警察諸君お勤めご苦労》
《1度しか言わないのでよく聴くように》
…………野太い声がスピーカーから大音量で聞こえてくる。
目覚めが悪ぃ。もうちょっと良い声出せねーのか。
目を開くとアイツ等に捕まった人達が一カ所に集められていた。
殴られた頭を触ろうとするとそれを妨害する存在に気付く。…………やはり縛られたか。
周りを見て状況を確認するとシンタローが隣で俯いていて
シンタローの隣には黒色と緑色。
きっとこのフロアにいる人達全員が捕まったのだろう。
このフロアにはテロリストも約9名居る。どうやってこの状況を打破出来るか…
《今から30分以内に十億円用意しろ》
《受け渡しは30分後この棟の最上階で行うこちらからはもうすでに受け取りを待機させてるんでヘリから落としてくれ》
立て籠もるつもりか…今の話を聞くとあとお金を受け取る奴が一人と多分…シャッターを操作してる奴が一人いるな。
十億円用意しろなんて無茶な要求だ。そんな物通るわけ無い。だがこんなとこでおっ死ぬなんてごめんだ。
俺にはやらなければいけないことが…まてよ。
そうだった。ここはアイツが監視しているんだ。こんなとこで死ねるわけ無い。
チラッと横目でシンタローを見ると何か考え込んでいた。その隣の黒色はニヤニヤ…しているのか?
何かシンタローと作戦をたてているようだ。
黒色の隣に座ってる緑色とまた目が合うと
目が段々と熱くなる。…またか。どうやら久々の暴走らしい。それもそうだろう。俺の能力発動条件は2つ。1つは近くに能力者が居ること。もう1つは相手の能力が解ってること。
確か緑色は盗むだ。そして黒色が欺くだったはず…
何故、曖昧な表現かと言うと…
前にも言ったように俺には全ての能力をコピー出来る。
特殊な奴から生まれた蛇の能力も、だ。
…そう。だから何度も同じ8月14日を繰り返しても憶えていられる焼き付ける能力も使えるからだ。
だが…特殊な能力な物で所々上手く使えないのだ
まずは皆のことは憶えてるはずなのに何故か名前が思い出せないこと
これは何回も繰り返しても変わらず。どんな組織にいたのかも思い出せないんだ。だけど、皆が使える能力だけは覚えている。