第43章 Requiem 場地
そっからランをとことん連れ回した。
ふれあい広場でウサギとかモルモットとかの小動物と戯れまくってもう最高だった。
「可愛い……」
ランはヒヨコを手のひらに乗せながらそう呟き、穏やかな笑みを零した。
まるでランの周りにポワポワと花が舞っているかのように見えた。
やべえ……
くそ可愛い生き物を見つけちまった…!
この絵面はヤバい。
そもそもランは、結構…ていうかだいぶ整った可愛い顔をしている。
俺的には。
そんなランが、こんなちっせぇヒヨコとかいうこの世で1番の癒しの象徴みてぇな生き物を持ってるところなんか、もう軽く目眩がするレベルで癒しだ。
この時からランは俺にとっての癒しの小動物に仲間入りした。
「おいラン。ちょっとこっち来てウサギも持ってみろ」
「え?うん。」
ランが顔を綻ばせながら
ゆっくりとウサギを抱き上げた。
「わぁ……ははっ……もふもふしてる……」
その光景に目が離せなくなった。
「………っ。やべー…可愛すぎる…!!!」
俺はマジで目の前がチカチカしてしまい
ぱちぱちと瞬かせた。
「圭介ってさ…すごい動物好きなんだね」
「そりゃあな!
でもこの世で1番可愛い動物は多分お前だよ!」
「は?」
「おし!次カピバラ行こーぜ!来いっ!」
やっぱ1人じゃなくて、
こいつがいてよかったと思った。
多分俺的に史上最高に癒された日となった。
帰ってからもその余韻が抜けなかった。
中学生になった今思うと、
あんなふうに手を繋いではしゃいで女の子連れ回すなんて、よく出来たななんて思うけど。
あれ以来俺にとってランは、
威勢のいい可哀想な捨て猫なんかじゃなくて、
素直で可愛くて意地っ張りな癒しの小動物だ。