第43章 Requiem 場地
「いや、もう俺がボコったからいーよ」
「まぁとにかくアレだな。
目とか腹とかやられてなくて良かったよ」
真一郎くんのその言葉に、
俺もマイキーも疑問符を浮かべる。
「どーゆー意味?
腹なんて一番余裕なとこじゃん」
マイキーに俺も頷く。
真一郎くんは俺たちに「あぁ?」と言って呆れたようにため息を吐いた。
「女の子はいっちばん腹守んなきゃなんねんだよ!
将来子供産めなくなったらどーすんだ!
人の命かかってんだぞ!」
その言葉に目を見開いて言葉を失ったのは俺らだけじゃない。
ランも固まってしまっていた。
「そのとーりじゃ。
お前らこれからは、ランの腹を最優先に守るんじゃぞ」
「「う、ウッス!!」」
小学生の俺とマイキーはこの時強く誓った。
こりゃ命を賭して守らねばならない案件だ。
もしかしたらランは、
女扱いされたような感じで少し傷ついたかもしれないし、ショックを受けたかもしれない。
そんな顔をしていた。
でも…
「女の子ってのは、男より全然ぜんっぜんすげーんだぞ?この世に命を生み出せちまうんだからな!
こんなすげーことってねぇだろ?
だから何よりも守んなきゃいけない存在なんだよ」
真一郎くんのその言葉に、俺らが「おぉ〜…」と感嘆すると、ランは少しだけ表情を崩して目を伏せた。
俺らはこの時誓った。
ぜってー何があってもランを守り抜くと。